「何日も便が出ない」「毎日出ているけれど、硬くて痛がる」「下着に少しずつ便がつく」。こどもの便秘には、さまざまなサインがあります。
大切なのは、排便の回数だけでなく、やわらかい便を、痛みなく出せているかを見ることです。この記事では、便秘に気づくポイントと家庭での工夫、受診や治療について説明します。
毎日出ていても便秘のことがあります
便秘とは、便が長い間出なかったり、出しにくかったりする状態です。次のような様子も、便秘を疑うきっかけになります。
- コロコロした硬い便が出る
- 排便のたびに痛がる、泣く
- 強くいきんでも、少ししか出ない
- 足を交差させたり、お尻に力を入れたりして便を我慢する
- 下着に少量の便が繰り返しつく
下着につくやわらかい便は、腸にたまった便の周りから漏れ出ている場合があります。「やわらかい便が出ているから便秘ではない」とは限りません。
痛みと我慢が、便秘の悪循環につながります
硬い便を出して痛い思いをすると、次の排便を我慢するようになることがあります。便が腸に長くとどまると水分が吸収され、さらに硬くなり、また痛くなるという悪循環が生じます。
遊びを中断したくない、園や学校のトイレを使いにくいといった事情が、我慢につながることもあります。排便を嫌がる様子を、単なるわがままと捉えず、痛みや不安がないかを確認することが大切です。
こんなときは早めに受診を
便秘に加えて、強い腹痛や続く腹痛、繰り返す嘔吐、著しいお腹の張りがある場合は、速やかに医療機関で診察を受けてください。血便や体重減少がある場合も、便秘だけと決めつけずに相談が必要です。
また、排便時の痛み、便の我慢、下着への便漏れが続く場合や、家庭で工夫しても改善しない場合は、通常の診療時間に相談してください。生まれて間もないころから便秘がある、体重が増えにくいといった経過も、診察で伝えたい情報です。
家庭でできること
食事と水分の不足を見直す
野菜、果物、豆類、穀類などを組み合わせ、食物繊維を含む食品を日々の食事に取り入れます。急に大量に増やさず、年齢や食べられる量に合わせて少しずつ整えます。
水分も不足しないようにしますが、必要な量は体格や活動量、季節によって異なります。特定の食品だけに頼らず、食事全体を見直すことが基本です。
ただし、痛みや便の我慢が続いている場合に、食事だけで改善させようと長く待つ必要はありません。食事や生活の工夫に、薬による治療を組み合わせることがあります。
落ち着いてトイレに行ける時間をつくる
トイレで排便できるお子さんでは、食後など、ゆとりのある時間にトイレへ行く習慣をつくります。便意があるときに我慢せず行ける環境も大切です。
無理に座らせたり、出るまで長時間頑張らせたりすることは避けます。トイレットトレーニング中に便秘が悪化した場合は、いったん進め方を緩め、便秘への対応を優先します。
排便の様子を記録する
便が出た日、硬さ、量、痛みや出血、便漏れの有無、使用した薬を記録しておくと、診察や治療の調整に役立ちます。毎日詳しく書くことが難しければ、短いメモでも構いません。
赤ちゃんの便秘は、回数以外の様子も確認します
赤ちゃんでは、便の間隔に個人差があります。いきんで顔を赤くしていても、出た便はやわらかい場合もあります。
便の回数だけで判断せず、便の硬さ、お腹の張り、母乳やミルクの飲み具合、体重の増え方も含めて確認します。綿棒刺激や浣腸が必要か迷う場合は、赤ちゃんの状態に合う方法を医師に相談してください。
診察・治療では何をするのでしょうか
診察では、排便の経過や便の状態、食事、成長などを確認し、お腹の診察などを行います。
便が多くたまっている場合は、まず飲み薬や浣腸などで出す治療が必要になることがあります。その後は、再びため込まないよう、便をやわらかく保つ治療を続けます。
薬や浣腸の種類・量は、年齢や便秘の状態に合わせて選びます。市販薬を使う場合も、あらかじめ医師に相談してください。
よくある質問
食事だけで治せますか?
食事の見直しは大切ですが、それだけでは十分に改善しないこともあります。痛みや我慢が続く場合は、薬を含めた治療を検討します。
薬は「くせ」になりませんか?
便秘の薬には複数の種類があります。「くせになるのが心配」という理由だけで必要な治療を控えず、薬の働きや注意点を医師に確認しながら使います。
便が出たら、薬をやめてもよいですか?
一度便が出ても、すぐに治療を終えられるとは限りません。痛みなく排便できる状態が続いているかを確認し、減量や中止は医師と相談して進めます。
当院では、一般診療の時間帯に便秘のご相談もお受けしています。受診については、一般小児科のご案内をご確認ください。
参考資料
- 小児慢性機能性便秘診療ガイドライン作成委員会『こどもの便秘―正しい知識で正しい治療を― 詳細版』。日本小児栄養消化器肝臓学会公開。公開PDFの改訂日表記は確認できず。
- 米国国立糖尿病・消化器病・腎疾病研究所(NIDDK)「Symptoms & Causes of Constipation in Children」。最終レビュー:2018年5月。
- NIDDK「Treatment for Constipation in Children」。最終レビュー:2018年5月。
- NIDDK「Eating, Diet, & Nutrition for Constipation in Children」。最終レビュー:2018年5月。
参考資料の閲覧日:2026年10月21日