「毎日出ないと便秘?」「うちの子、便秘がちかも…」など、お子さんの排便について不安を感じている保護者の方はとても多いです。
子どもの便秘症は、放っておくと「痛いから我慢する ➔ 便が硬くなる ➔ さらに痛む」という悪循環に陥り、腸が便の溜まりに慣れて治りにくくなってしまいます。
すこやかな成長のために、まずは正しい知識とおうちでのケアを知り、早期に治療を始めていきましょう。
1. こんなサインがあれば「便秘(便秘症)」かも?
医学的に、便秘とは「便の回数が少ない、または出にくい状態」を指します。回数だけでなく、以下の状態に当てはまる場合は「便秘」と考えます。
- ◆回数・期間: 週に3回より少ない、または5日以上便が出ていない。
- ◆便の状態: コロコロ、あるいはベタベタした便が少しだけしか出ない。または、便が腸に溜まりすぎた結果、服にちょっと漏れ出ている。
- ◆排便時の様子: 出すときに痛がったり、肛門が切れて出血があったりする。いきんでいるのに便が出てこない。
- ⚠注意が必要なサイン: 生まれて間もなく始まった便秘や、強い腹痛・吐く(嘔吐)・体重が増えないなどの症状を伴う場合は、別の原因となる病気が隠れている可能性があるため、早急に受診してください。
2. 家庭でできる・治療の中心となる「3つの基本ケア」
子どもの便秘治療は、「① 正しい生活・排便習慣」「② 食事の工夫」「③ 便を軟らかくする薬」の3つの柱が中心です。
① 正しい生活・排便習慣の見直し
まずは直腸(肛門のすぐ手前)をいつも空にして、便意を正しく感じられるようにすることが大切です。
・トイレに行きたくなったら、我慢せずにすぐ行く。
・早寝早起きを心がけ、朝食をゆっくり食べる(朝食後は大腸の動きが一番活発になります)。
・ゆとりのある時間帯(朝食後など)に、一度トイレに座る習慣をつける。
※トイレットトレーニング自体が便秘の原因になることもあります。便秘がきちんと治ってから、無理なく再開しましょう。
② 食事の工夫(食物繊維をたっぷりと)
食べる量が少なかったり便の嵩(かさ)が足りないと、腸に長くとどまってカチカチになってしまいます。
・野菜、果物、海藻、豆類、芋類など、食物繊維の多い食材をしっかり食べましょう。
・お菓子や甘い飲み物でお腹がいっぱいになると、繊維不足になりやすいので要注意です。
③ お薬(下剤)は毎日、正しく飲む
生活習慣の改善だけで効果が不十分なときは、お薬に頼るのがベストです。
・薬は便が詰まってから飲むのではなく、「たまらないように毎日飲む」ほうが圧倒的に効果的です。
・「まだ週に2回しか出ない」「痛がる」ときは量が足りず、「軟らかすぎる」ときは量が多いサインです。ただし、自己判断で量を増減させず、必ず医師に相談してください。
3. よくあるご質問(Q&A)
Q. 浣腸や下剤を使うと、クセになってやめられなくなりますか?
A. いいえ、クセ(依存)になるものではありません。
薬の使い方が中途半端で便秘が続くと、どんどん重症化して薬が効きにくくなるため、「クセになった」と誤解されることがあります。正しくお薬を使って「便秘ではない快適な状態」をキープしていけば、いずれ浣腸は不要になり、お薬も徐々に減らしていくことができます。
Q. 便秘の治療はどのくらい続けるものですか?
A. 便秘症は数日ですぐに治るものではなく、長い間お薬を継続するのが原則です。
「出たから」といって急にお薬を減らしたりやめたりすると、高い確率で元の便秘に戻ってしまいます。生活習慣はずっと続けながら、お薬の減量や中止のタイミングは医師と相談して慎重に進めていきましょう。
Q. 治療を続けていても、なかなかスッキリ良くならない場合は?
A. 順調な場合、1〜2ヵ月ほどで「便秘ではない状態」へと軌道に乗ります。
もし長期間改善が見られない場合は、何か特別な原因が隠れているかもしれません。一度主治医の先生に相談の上、専門医への受診(セカンドオピニオン)を検討してみるのも良い方法です。
💡 受診時に医師へ教えていただきたいこと
診察の際、以下のメモや「排便日誌」をお持ちいただくと、とてもスムーズに適切な診断・処方が行えます。
- □ 最後の排便はいつか、何日くらい出ていないか
- □ 便の硬さや形(コロコロ、ベタベタ、漏れ出る等)
- □ 出すときに痛がったり、出血があるか
- □ 他の症状(強い腹痛、嘔吐、体重が増えないなど)の有無
🔗 役立つ外部リンク・資料(日本小児栄養消化器肝臓学会)