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子どもの肥満|小さな目標と「できた!」で続ける生活習慣づくり

お子さんの体重が気になっても、「食事や運動を、どこから変えればよいのだろう」と迷うことがあります。

生活習慣を見直すときは、今の生活を振り返り、取り組めそうな目標を選ぶことから始めます。この記事では、記録の使い方や目標の立て方、家族で続けるための工夫を紹介します。

体重の数字だけでなく、成長も確認します

子どもの体格は、体重だけでは判断できません。身長に対して体重がどのくらいあるかに加え、これまでの身長・体重の変化を確認することが大切です。母子健康手帳や学校の健診結果を、成長曲線に記録すると経過がわかりやすくなります。

体重をどう管理するかは、年齢、身長の伸び、肥満の程度、健康状態に応じて考えます。成長期には体重の増加を抑えながら身長の伸びを待つ場合もありますが、すべての子どもに同じ目標が当てはまるわけではありません。自己判断で食事を大幅に減らさず、必要に応じて医師と目標を相談します。

まずは今の生活を振り返ります

最初から多くのルールを作るより、食事、飲み物、体を動かす時間、睡眠などを簡単に記録してみます。生活を記録して振り返る方法は、肥満の治療を支える行動療法でも使われています。

例えば、次のような項目から、気になるものを選びます。

  • 甘い飲み物を、いつ、どのくらい飲んだか
  • おやつを食べた時刻と量
  • 外遊びや散歩をした時間
  • テレビやゲームを終えた時刻
  • 寝た時刻と起きた時刻

記録は「ジュースをコップ1杯」「夕食後に散歩」など、一言でもかまいません。毎日の生活の中で、変えられそうな場面を見つけるために使います。

目標は、小さく具体的に決めます

「食べすぎない」「もっと運動する」だけでは、何をすればよいのか曖昧になりがちです。「いつ、何をするか」がわかる目標にすると、取り組めたかを確かめやすくなります。

例えば、次のような目標が考えられます。

  • 夕食の飲み物は、水か無糖のお茶にする
  • おやつは袋のまま食べず、食べる分を皿に出す
  • 休日の午前中に、家族で近所を散歩する
  • 夕食中はテレビを消す
  • 決めた就寝時刻に向けて、ゲームを終える時刻を決める

まずは、本人や家族が取り組みやすいものを1〜2個選ぶ方法があります。年齢に応じて、本人の「これならできそう」という気持ちも聞きながら決めます。

当院のグラフ化体重記録表について

当院では、自作の「グラフ化体重記録表」を用意しています。2週間分の体重と、生活習慣の取り組みを一緒に記録できる用紙です。

体重をグラフに記録します

朝は●、夕は○で記録します。測定回数は、年齢や成長の状況に合わせて医師と相談して決めます。測れなかったところは空欄にし、その前後は線で結ばずに残します。

体重グラフの記入例。朝は黒丸、夕は白丸で記録し、測定していない箇所は線をつながずに空けています。
体重グラフの記入例(架空の記録)。画像を押すと拡大して確認できます。

生活習慣の取り組みと気づきを残します

取り組む目標を1〜2個選び、できた日に○を付けます。「気づいたこと・気持ち」の欄には、「自分でお茶を選べた」「家族と散歩して楽しかった」など、一言添えられます。

生活習慣チェックと気づき欄の記入例。飲み物やおやつについて選んだ目標に丸を付け、できたことや気持ちを記録しています。
生活習慣の記入例。すべての目標に取り組む必要はありません。

体重の変化だけでなく、「どんなことに取り組めたか」を一緒に振り返るための記録表です。 2週間で体重を減らすことを一律の目標にはせず、身長の伸びも合わせて確認しながら、体重の目標や方針を相談します。

できなかった日や測れなかった日があっても大丈夫です。続けやすい方法を一緒に考えます。

チェック表で「できたこと」を確かめます

当院の記録表のほか、紙やカレンダーに目標を書き、できた日に丸やシールを付ける方法もあります。

例えば、目標を「夕食の飲み物を水かお茶にする」と決めたら、その行動ができたかを記録します。

体重を記録している場合も、日々の数字だけで取り組みを評価せず、決めた行動に取り組めたことを認めます。周囲ができた行動を具体的に褒めることは、行動療法に基づく支援の一つです。

声かけの例としては、「今日は自分でお茶を選べたね」「一緒に散歩できたね」などがあります。

できなかった日には、「予定が忙しかった」「目標が難しかった」などを振り返り、次に取り組みやすい形へ調整します。

家族も一緒に取り組みます

子どもの生活習慣には、家庭の食事や過ごし方が関わります。本人だけに我慢を求めず、家族も一緒に環境を整えることが大切です。

  • 食事のときは、家族も水や無糖のお茶を選ぶ
  • おやつを食べる時刻と量を、あらかじめ相談する
  • 散歩や外遊びを、家族の予定に入れる
  • 記録を本人任せにせず、必要に応じて一緒に付ける

体型について繰り返し指摘したり、ほかの子と比べたりする言い方は避けます。記録や声かけが負担になっているときは、方法を見直すことも必要です。

気になるときは小児科で相談を

次のような場合は、家庭での工夫だけで様子を見続けず、小児科で相談してください。

  • 健診で肥満や体重の増え方を指摘された
  • 身長に比べて体重が多い、または体重の増加が続いている
  • 身長の伸びが鈍くなっているのに、体重が増えている
  • 強いいびきや、睡眠中に呼吸が止まる様子がある

肥満に伴う健康上の問題がないか、別の病気が関係していないかを確認することも大切です。

受診時には、母子健康手帳や学校の健診結果など、身長・体重の経過がわかるものを持参すると役立ちます。生活の記録があれば、無理なく続けられる目標を相談する材料にもなります。

当院での診察や受診前の準備については、肥満診療のご案内をご確認ください。記録がそろっていなくてもご相談いただけます。

参考資料

  • 日本小児内分泌学会: 肥満 (公開・更新日の明記なし)
  • 日本小児保健協会 学校保健委員会: 子どもの肥満症Q&A (2017年、主にQ21・Q26)

参考資料の閲覧日:2026年10月22日

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